
コピー機はリースがおすすめ?メリットやデメリット
コピー機の代表的な導入方法は「リース」、「レンタル」、「中古の一括購入」の3つが挙げられます。
皆さんは、その中の一つ「リース」について、どんな特徴やメリット・デメリットがあるのかご存知でしょうか。
今回は、コピー機のリースの話を中心に、契約の種類から、よく比較されるレンタルとの違い、おすすめのポイントまで幅広くご紹介します。
目次
コピー機のリース契約とは
コピー機をリース契約で導入するとはどういうことなのでしょうか。
これは、ユーザー(借主)が希望するコピー機を、リース会社(貸主)が購入して、ユーザーに貸し出す形式で、コピー機を導入する方法です。
ユーザーは、リース期間中、機械の所有者であるリース会社へ毎月リース料金を支払い、コピー機を利用します。
実態としては、ローンを組んで購入するイメージが分かりやすく、「コピー機を利用しながら、借りたお金を返していく」と考えるといいでしょう。
一般的にコピー機などのOA機器は、5~6年と比較的長期に渡る契約で、貸し出す物件となります。
なお、リース料金には、コピー機の現金購入代金に加え、金利、固定資産税、保険料が含まれるので、リース料金の総額は、現金購入代金よりも高くなります。
リースには大きく分けて「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の二つの契約形式があります。
二つの契約の違いは、リース料金の決定方法だけで、利用のイメージは前述の通りとなります。
リース契約の種類1:ファイナンシャルリースとは
リース契約は「ファイナンスリース」を例に説明されることが多いです。
コピー機のリース契約の多くが「ファイナンスリース」となります。
ファイナンスリースの特徴は、以下の通りです。
- リース料金の総額がオペレーティングリースに比べて高い
- 中途解約ができない
- 契約期間が長い
なお、「ファイナンスリース」は、「所有権移転外ファイナンスリース」と「所有権移転ファイナンスリース」の二つに分類されます。
所有権移転外ファイナンスリース
コピー機のリース契約で用いられる多くが「所有権移転外ファイナンスリース」となります。
この契約は、リース期間が満了すると、コピー機をリース会社に返さなければいけません。
継続して機械を利用する場合は、再度リース契約を結び、料金を支払うか、機械を買い取る必要があります。
所有権移転ファイナンスリース取引
リース期間が満了すると、リース物件の所有権が、リース会社からユーザーに移る契約です。
リース契約の種類2:オペレーティングリースとは
オペレーティングリースは、リース期間が満了すると、ユーザーはリース会社に物件を返却しなければならない契約です。
オペレーティングリースの特徴は、以下の通りです。
- リース料金の総額がファイナンスリースに比べて安い
- 中途解約が可能
- リース期間を柔軟に設定でき、比較的短期の契約も可能
良いこと尽くめのオペレーティングリースですが、取り引きできる物件は限られます。
それは、リース期間満了後も中古市場で一定の価値で販売可能な物件です。
リースとレンタルの違い
コピー機の導入方法で「リース」と比較されるのが「レンタル」です。
以下で、コピー機の「リース」と「レンタル」の違いをまとめました。
リース |
レンタル |
|
月額利用料 |
〇 (安い) |
× (高い) |
初期費用 |
〇 (掛からない) |
× (掛かる) |
機械の選択 |
〇 (可能(但し新品のみ)) |
× (不可(旧型の中古)) |
機械の性能 |
〇 (高い) |
× (低い) |
保守費用 |
〇 (安い) |
× (高い) |
契約期間 |
× (5~6年) |
〇 (1日~) |
導入スピード |
× (遅い) |
〇 (速い) |
審査 |
× (あり) |
〇 (なし) |
中途解約 |
× (不可) |
〇 (可能) |
機械の所有権 |
リース会社 |
レンタル会社 |
リース契約のメリット
コピー機をリース契約で導入するメリットをご紹介します。
リース契約のメリットを学ぶことで、最適な導入方法を選択できるようになります。
初期費用が掛からない
コピー機の導入に際し、リースであれば初期費用が掛かりません。これがリースの一番のメリットと言えます。
起業初期は、何かと物入りです。
高額なOA機器の導入費用を会社の運転資金に回せるメリットは大きいでしょう。
最新機種を導入できる
高額なものになると、総額で100万円近くも掛かる高機能な最新コピー機を、月々のリース料金で導入できる点もリースのメリットでしょう。
一方で、自社に高機能な複合機が必要かどうかを精査する必要があるでしょう。
保守サービスの料金を安く抑えられる
保守サービスとは、毎月保守料金を支払うことで、コピー機のメンテナンスが受けられるサービスです。
リースで導入したコピー機の保守サービスの料金は、中古コピー機と比べ、半額まで抑えることができます。
支払いを経費で処理できる
コピー機の毎月のリース料金は、税法上全額経費として処理ができます。
またコピー機の所有権はリース会社にあるため、減価償却の手続きが必要なかったり、固定資産税の支払いが発生しないなど、面倒な事務処理をしなくていい点もメリットと言えます。
なお、中小企業の場合、30万円未満のコピー機であれば、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」として全額経費として処理することができます。
中古であれば、30万円未満で品質の高い最新型コピー機の購入が可能です。中古の購入もリースと合わせて検討しても良いでしょう。
補償が受けられる
コピー機が火災、風災、落雷や盗難で損害を受けた場合、リースで導入していれば、動産保険で補償されるので安心です。
リース契約のデメリット
コピー機をリース契約する前に確認していただきたいデメリットや注意点をまとめました。
中途解約ができない
リースは中途解約ができませんので、どれくらいの期間、同じコピー機を使い続けるのかを想定しておくことが重要です。
例えば、人材の入れ替わりが多い部署や新規事業を推進する部署であれば、コピー機の機能を柔軟に拡張できる方が使い勝手が良いでしょう。
であれば、買い替えや入れ替えが容易なレンタルや中古の購入の方が最適です。
リースは、別のコピー機に買い替えることができませんので、将来的に使い勝手が損なわれるリスクも考えておきましょう。
中古では利用できない
リース契約は、中古機器では利用ができませんので注意しましょう。
リースで導入する場合は、必然的に新品の現行コピー機または最新コピー機から機械を選ぶことになります。
総額は、現金購入よりも高くなる
リースは初期費用が掛からないものの、リース期間から総額を算出すると、総じて現金で一括購入するよりも高額になります。
導入費用の総額を手っ取り早く抑えたい場合は、中古コピー機を購入するという選択肢もあります。
保守サービスの加入が必須
コピー機をリース契約で導入をすると、保守サービスの契約が必須となります。
つまり、毎月のリース料金とは別に、保守料金が掛かってきますので、毎月のコピー機の利用料金は、リース料金+保守料金となります。
毎月掛かる保守料金も重要な導入ポイントとなりますので、しっかり販売店に確認をしましょう。
導入までに時間が掛かる
リース契約には、リース会社の審査が必要なので時間が掛かります。また、財務書類(営業報告書や損益計算書など)や登記簿謄本、印鑑証明などを揃える時間も必要です。
その後、審査が通って、コピー機の発注となりますが、本体にユーザーが希望する機能を組み込む時間が必要となりますので、発注から納品までに1週間ほど時間が掛かります。
余裕を持ったスケジュールで契約するようにしましょう。
コピー機の所有権は、リース会社
リース契約の場合、コピー機の所有権はリース会社にあります。そのため、必要がなくなったからといって、勝手に売ったり、レンタルしたりすることは契約違反となりますので、注意しましょう。
リース期間満了後は、リース会社にコピー機を返さなければなりません。継続して利用するには、再度リース契約を結ぶ必要があります。
まとめ
コピー機をリース契約するメリットや注意点は理解できましたか?
リース契約をする上で、一番のポイントとなるのが、「どのくらいの期間コピー機を利用するか」という点になります。
同じコピー機を最低でも5年間は利用することになりますので、導入部署の将来的な規模や事業内容まで見越して、機械を選定すると失敗がないでしょう。
一方、部署に任せる仕事や事業の見通しが定まっていない時は、短期契約や中途解約ができるレンタルや買い替えが容易で、安価に導入できる中古コピー機を一括で購入する方が良いでしょう。
コピー機選びの際に、ぜひ参考にしてください。
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