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リコー複合機・コピー機 過去最大の赤字で大丈夫? 技術者が本音を語る

2018年4月初頭、「リコーが複合機で過去最大の赤字、打開策なしの深刻な事情」というセンセーショナルな見出しがついたニュースがリリースされ、複合機・コピー機メーカーの雄であるリコーが大きく取りざたされました。

出典:リコーが複合機で過去最大の赤字、打開策なしの深刻な事情 -ダイヤモンド・オンライン-

このニュースを受けて、リコーの複合機をお使いの方、今まさに複合機を検討されている方は、不安になったのではないでしょうか。


今回は、リコーの複合機を最前線で整備している当社技術者の視点で、機械の評判や、今回のニュースについて分析します。

目次

  1. 複合機って大丈夫? 最新出荷台数でみる製品の未来
  2. リコー複合機の国内シェア
  3. リコー複合機・コピー機の最新の評判
    1. 他メーカーの追随を許さない高画質
    2. 故障に強い耐久性
    3. 役所も導入しているペーパーレス機能
  4. 複合機技術者が、リコー赤字のニュースを分析
    1. 部品のユニット化で、技術者の人件費を削減
    2. 機械の耐久性を上げ、技術者の人件費を削減
    3. 「ペーパーレス化が複合機を頭打ちにする」に疑問
    4. 長く愛用され、中古OA市場で品薄
  5. まとめ

複合機って大丈夫? 最新出荷台数でみる製品の未来

リコーの心配をする前に、業界の趨勢を見るため、複合機全体の最新出荷実績は見てみましょう。


以下の数字は、一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会が2018年3月に発表した「2017年複写機・複合機の年間累計出荷実績」です。


2017年複写機・複合機の第4四半期出荷実績


2017年複写機・複合機の年間累計出荷実績

引用:2017年複写機・複合機の年間累計出荷実績 -一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会-

このデータによると、2017年複写機・複合機の年間累計国内出荷実績は前比95%と緩やかに減少し、海外でも101%とほぼ横ばいです。


ニュースで触れられている「複合機の販売台数は頭打ち」という内容もあながち間違ってはいないようです。


しかし、カラー複合機の出荷実績に目を移してみると、前比106%と増加。直近2017年第4四半期の出荷実績を切り取って見てみれば、前比116%と大きく数字を伸ばしています。


ペーパーレス化の波で苦戦を強いられているとは言われていますが、直近の数字からは未だ根強い複合機のニーズがあることが伺えます。

リコー複合機の国内シェア

リコー複合機・コピー機の国内出荷台数も発表になっています。


以下のグラフは、IDC Japanがプレスリリースで発表した「国内レーザーMFP/プリンターの2016年ベンダー別出荷台数シェア」の数字です。

MFPとは、「Multifunction printer」の略称で、日本では複合機のことを指します。


出典: IDC Japanプレスリリース「2016年 国内レーザーMFP市場動向を発表」(2017年3月30日)

リコーは、国内No.2のメーカーで、複合機3大ビッグメーカーの一つに数えられます。

なお、2015年はリコーがNo.1となっていますので、2016年は、キヤノンがNo.1の座を奪還した形となります。


関連記事:業務用コピー機はメーカーで違う?メーカー別の徹底比較

リコー複合機・コピー機の最新の評判

当社のお客様の声を分析すると、リコーの複合機・コピー機の評判が良い点は、「高画質」「故障に強い」「ペーパーレス機能」の3点となりました。

他メーカーの追随を許さない高画質


リコー複合機で最も評判の良い点は「画質の高さ」です。

リコーの画質の高さが一番顕著に表れるのが写真印刷で、色鮮やかに出力できます。特にグラデーションが美しく表現できており、他メーカーの複合機で出力したものと比べると差が分かります。

故障に強い


リコーは、複合機でよく発生するトラブル「紙詰まり」、「印字不良」が少ない点が特長です。

特に「紙詰まり」のトラブルは、複合機で最も多い「イライラ」ポイントとして有名なため、機械選びの重要なポイントになっています。

役所も導入しているペーパーレス機能


リコーのペーパーレス機能は各メーカーと比べても、特に人気が高いです。その理由は手軽さです。

複合機とパソコンを接続することで、複雑な設定なしにパソコン画面で受信したFAXやスキャンしたデータを確認できます。

「面倒くさい」「印刷した方が早い」という不平不満をなくし、社内へのペーパーレスの浸透を加速させることができるでしょう。


関連記事:リコーカラーコピー機の評判は?官庁や自治体で導入される理由

複合機技術者が、リコー赤字のニュースを分析

今回のニュースを受けて聞き取りをした、リコー複合機・コピー機を整備する当社技術者の分析をまとめました。

部品のユニット化で、技術者の人件費を削減

複合機・コピー機をメンテナンスする技術者

近年のリコー複合機は、トラブルが発生しやすい印字関連の部品をまとめ、ユニット化しています。

このユニット化は、機械を修理する技術者の作業時間を短縮できるメリットがあります。


旧モデルでは、機械を分解して原因となる部品を突き止め、交換をしなければならず、修理に時間が掛かりました。

しかし、ユニット化していれば、ユニット化されたパーツをまるごと交換すればいいだけです。


ニュースでは「リコーの利益率の低下」について言及していましたが、メーカーでは利益率低下を防ぐために、このような努力を重ねています。

機械の耐久性を上げ、技術者の人件費を削減

近年、リコーを含む主要複合機メーカーは、機械の耐久性能を上げています。

リコー複合機に注目すれば、ひと昔前に比べると、機械の設計や構造がシンプルになり、部品の精度も高く、非常に壊れ難くなりました。


その背景には、複合機事業の稼ぎ頭であった「保守料金の値下げ競争の激化」が挙げられます。

保守とは、複合機のメンテナンスを行うサービスのことで、機械が壊れれば、メーカーは技術者を派遣しなければなりません。


機械の耐久性が上がれば必然的に機械は故障にし難くなりますので、技術者の訪問頻度を下げることができます。すなわち人件費を削れることに繋がります。


利益率の低下は、リコーだけに限らずOA業界全体で進んでいるため、上記で紹介した視点の技術革新は今後も進むと考えます。

「ペーパーレス化が複合機販売台数を頭打ちにする」に疑問

高速スキャナー

先のニュースに「ペーパーレス化が進み複合機販売台数は頭打ち」という一文がありましたが、本当にそうなのでしょうか。むしろ近年の複合機の機能を分析すると、ペーパーレス化の核となる機械へ進化しています。


複合機メーカー各社は、ペーパーレス化の波を受け、ペーパーレス化を推進できる機能を積極的に搭載しています。


ペーパーレス化の重要な機能であるスキャナーを搭載した、リコーの最新複合機は、1分間でフルカラー200ページ以上を読み取ることができます。

さらに、解像度も上がり、フルカラーで鮮明にデータ化できます。そのデータを軽量化するための仕組みも搭載されています。


またデータの共有機能も優秀です。

複合機で変換したデータをルールに沿って自動で仕訳を行い、指定のメール、スマホ、パソコン、サーバーへ即時に転送ができます。


今や複合機は、ペーパーレス化はもちろん、情報共有の重要な鍵を握る存在となっています。

長く愛用され、中古OA市場では品薄

中古OA市場のリコー複合機の評判を計れるデータがあります。


以下は、当社が調査した中古OA市場のメーカー別の機械の流通量となります。


2017/3/15 検索キーワード「中古コピー機」でGoogle検索した際に表示される上位10店舗で集計


流通量が最も多いシャープと比べると、リコーはかなり取り扱い数が少なくなっていることが分かります。


その理由の一つに、複合機の評判良く、長く愛用され続けられていることが考えられます。


中古OA市場に流通する多くの複合機は、リース物件を整備したものです。

前述のデータが示す通り、近年のリコー複合機は、毎年国内シェアベスト3に入るほど膨大な数の機械を出荷していますが、中古OA市場に流通していません。


これは、リースで導入した複合機が、中途解約されないことはもとより、再リースされ、同じ機械を長く愛用されていることが考えられます。

実際に、当社に入荷する一部のリコー複合機は、かなり年季の入ったものを見かけます。

その希少性から、当社が店頭に並べるリコーの中古複合機は、すぐに注文が入ってしまうほどの人気ぶりとなっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

先のニュースの不安は解消されましたか。


リコーの業績の子細については分かりませんが、現場の最前線で複合機を整備、販売している私たちが感じているのは、リコーの複合機は変わらず評判が良いということ。

機械は年々進化し、優秀になっています。


現在、リコー複合機をお使いいただいている方も、これから導入を検討されている方も安心してください。

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石田(OA機器エンジニア)

石田(OA機器エンジニア)

株式会社エーワンに所属するOA機器エンジニアです。 コピー機の整備技術と知識が非常に高く、取り扱えるメーカーはリコー、コニカミノルタ、京セラ、東芝と主要メーカーを網羅します。

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