
【2021年更新】複合機(コピー機)の保守サービスとは? 契約内容や料金、注意点を総まとめ
会社で複合機(コピー機)を導入する時、販売店から「保守サービス」の契約の有無を迫られます。
果たして、保守サービスは契約した方が良いのでしょうか。
今回の記事では、「トナーは補充してくれるの?」「故障して、部品交換が必要な修理の時、費用は別で掛かるの?」といったサービス内容や業界の料金相場、契約が必要になる目安を説明します。
目次
保守サービスとは
保守サービスとは、保守料金を支払うことで、複合機(コピー機)のメンテナンスや、故障時にサービスマン(技術員・エンジニア)が出張して機械を修理してくれるサービスです。
主なサービス内容は、以下の3つです。
- 機械の定期点検
- 故障時の出張修理
- トナーの補充
保守サービスを契約すると、都度料金を支払うことなく、上記のサービスを受けることができます。
保守サービスを契約する理由
そもそも、なぜ保守サービスを契約するのでしょうか。
サービスを契約するメリットは、以下のものが挙げられます。
- 機械の修理費用が掛からない
- トナーを無料で補充してくれるので、都度購入する必要がない
- 定期点検をしてくれるので、急な故障が発生し難い
- 故障をしても当日修理をしてくれる
中でも「1. 機械の修理費用が掛からない」、「2. 故障をしても当日修理をしてくれる」という2点にメリットを感じて、サービスの契約をする方が多いです 。
豆知識:部品交換が必要になると、修理費用は高額になる
複合機(コピー機)の修理費用は、故障内容によって大きく変動します。
サービスマンを派遣するだけ直る内容であれば、修理費用は2万円も掛かりません。
ただし、部品交換が必要な故障となると、10万円以上の修理費用が掛かることもあります。
例えば、印刷物に目立つ線が入る故障の場合、高額部品である「感光体ドラム」の交換が修理に必要です。
症状が酷い場合は、前述の通り、10万円を超える修理費用が掛かります。
このような不測の事態を考えると、保守サービスを契約するメリットは大きいでしょう。
保守サービスの種類
カウンター保守 |
キットトナー保守 |
年間保守 |
スポット保守 |
|
機械の定期点検 |
無料 |
実施せず |
販売店によって異なる |
実施せず |
サービスマンの派遣費用 |
無料 |
無料 |
無料 |
有料 |
修理の技術料 |
無料 |
無料 |
無料 |
有料 |
トナーの補充 |
無料 |
有料(高額) |
販売店によって異なる |
有料 |
支払い |
毎月 |
トナーが切れる毎 |
年間 |
依頼毎 |
保守サービスの契約形態は、主に4種類あります。
「カウンター保守」「キットトナー保守」「年間保守」「スポット保守(修理)」となります。
4種類の中から好きな保守契約を選べるわけではなく、販売店や機械によって、契約形態は決まっています。
業界で最も採用されている契約形態は「カウンター保守」です。
実情は、複合機で保守サービスを利用する場合、「カウンター保守」の契約形態しかないと考えても良いでしょう。
カウンター保守
モノクロ印刷、カラー印刷それぞれに1枚あたりの単価設定がなされ、印刷枚数に応じた保守料金を毎月支払い、保守サービスが受けられる契約形態です。
カラーの方が、印刷単価が高くなります。
キットトナー保守
専用トナーを購入することで、保守サービスが受けられる契約形態です。
トナーを使用している期間のみ、故障時の修理サービスを無料で受けられます。
修理費用が含まれたトナーを購入すると考えるとイメージしやすいでしょう。
ちなみに専用トナーは、メーカーや正規代理店からしか購入できない上、汎用品のトナーは使えません。
年間保守
年間契約の保守料金を支払うことで、保守サービスが受けられるサービスです。
年間保守サービスは、現在ほとんど業界に存在しない契約形態です。
販売店が独自に設計しているものも多く、メリットがほとんどない、業界でも評判が良くない契約形態です。
スポット保守(修理)
スポット保守とは、販売店と定期契約を結ばず、機械の故障時に依頼を受け、都度修理サービスを提供する契約形態です。
スポット修理とも言われることも多く、厳密には、一般的な保守サービスの枠組みから外れるサービスとなります。
保守サービスのメーカー毎の違い
複合機(コピー機)は、メーカー毎に保守サービスの内容は変わるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
サービス内容は、細かな違いはあるものの、どのメーカーを選んでも原則変わりはありません。
サービス内容は、以下の通りです。
- 機械の定期点検
- 故障時の出張修理
- トナーの補充
メーカー代理店が保守サービスを提供する場合は、内容に違いあり
保守サービスは、直接メーカーが提供する場合と、メーカーより技術供与を受けた代理店が実施する場合があります。
メーカー提供の保守は、サービス内容にほとんど違いはありませんが、代理店が提供するサービスは、独自に設計した内容になっているため、違いがあります。
具体的には、「修理依頼に応じられる時間帯」、「メンテナンスの回数」、「トナーを補充するタイミング」の違いが大きいです。
代理店が保守サービスを提供する場合は、上記の点について質問すると、他店との比較がしやすいでしょう。
保守サービスの料金相場
業界で最も多い契約形態「カウンター保守」の料金相場をご紹介します。
保守料金は、「新品をリースで導入」した場合と「中古を一括で購入」した場合で異なります。
それぞれの市場で、各メーカー同一の印刷速度を備える複合機(コピー機)をランダムに抽出して調査を進めました。
なお、2019年と2021年の調査結果を比較しましたが、保守料金に大きな変化はありませんでした。
新品複合機(コピー機)をリースで導入した場合の保守料金
一般的に複合機の印刷速度が速くなると、保守料金の単価は安くなると言われていますが、最新の調査では、その傾向は見られませんでした。
機械の印刷速度 |
20~29枚 |
30~39枚 |
40~49枚 |
|||
カウンター保守料金 コピー単価 |
モノクロ |
カラー |
モノクロ |
カラー |
モノクロ |
カラー |
1~3円 |
9~15円 |
1~2円 |
8~15円 |
1~2円 |
10~15円 |
|
月間推奨印刷枚数 |
少(2,000枚未満) |
中(5,000枚未満) |
多(8,000枚未満) |
中古複合機(コピー機)を購入した場合の保守料金
中古複合機を購入して、保守サービスを契約すると、新品をリースで導入した時と比べて、保守料金の単価が高くなります。相場にして、1.5~2倍程度となります。
なお、中古品でも、2019年と2021年の調査結果を比較しましたが、保守料金に大きな変化はありませんでした。
機械の印刷速度 |
20~29枚 |
30~39枚 |
40~49枚 |
|||
カウンター保守料金 コピー単価 |
モノクロ |
カラー |
モノクロ |
カラー |
モノクロ |
カラー |
2.5~3.3円 |
18~23円 |
2.5~3.3円 |
18~23円 |
2.5~3.3円 |
18~23円 |
|
月間推奨印刷枚数 |
少(2,000枚未満) |
中(5,000枚未満) |
多(8,000枚未満) |
保守サービスの契約が必要になる目安
リースで複合機(コピー機)を導入する場合、保守サービスは必ず契約することになります。
一方、中古で購入した場合は、ユーザーの任意となります。
中古ユーザーは、保守サービスを契約した方が良いのでしょうか?
実は、一つの目安があります。
中古複合機の普及機と言われる「毎分20~30枚程度の速度」を備える機械があります。
このクラスの機械を導入すると想定した場合、「月間3,000枚(一日150枚)」以上印刷するようであれば、保守サービスの契約を推奨しています。
また「毎分40枚以上の速度」を備える中高速機械については、印刷枚数が多くなることが想定されますので、月間印刷枚数に関わらず、保守サービスの契約を推奨しています。
保守サービスの契約方法やタイミング
保守サービスの契約は、複合機(コピー機)を購入するタイミングで一緒に行います。
機械の注文とは別に、専用の契約書を介して行います。
販売店によっては、後から契約することも可能
原則、保守サービスの契約は、購入後にはできませんが、一部の中古販売店では保守サービスのみの契約を受けることがあります。
つまり、購入後や他店で購入した複合機であっても保守サービスを提供するということです。
ただし、購入後に保守サービスを契約する場合は、点検費用や部品交換の費用が発生することを覚えておきましょう。
保守サービスの注意点
保守サービスは、契約形態の違いもあり、さらに各販売店で独自にサービスを設計しているため、サービスの品質が異なります。
そのため、保守料金の安さで決めて契約をしてしまうと、失敗します。
料金が安いが、「サービスマンがメンテナンス(機械の点検)に来ない」、「修理対応が2日後になる」、といったようにサービスの質が悪くなることがあります。
料金だけでなく、サービスの細かい部分まで確認した上で契約をするようにしましょう。
保守サービスに関するよくある質問
最後に、保守サービスに関するよくある質問とその回答をまとめました。
「保守サービスは後から契約できますか?」
一部の中古販売店で契約が可能です。契約前に機械の点検と部品交換が必要になるため、費用が発生することがあります。
「保守サービスは必ず契約しないといけませんか?」
リースで新品を導入する場合は、契約が必要です。
一方、中古を購入する場合は、任意になります。
当店の統計によると、中古ユーザーは、保守サービスに契約しない方が多いです。
「保守サービスはいつでも解約できますか?」
リースで複合機を導入した場合は、リース契約が満了するまで解約ができません。
中古の場合は、販売店との契約内容によって変わりますが、一般的にいつでも解約できるケースが多いです。
「保守サービスを解約したら感光体ドラムを返さないといけませんか?」
リースで導入した複合機は、リース契約満了時に保守サービスを解約すると、感光体ドラムをメーカーに返却する必要があります。一般的に、感光体ドラムはメーカーの所有物となります。
一方、中古で購入した場合は、解約をしてもドラムの返却の必要はありません。
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