
原状回復、工事見積りだけで大丈夫?不用品処分の見積りも必ずチェック!
オフィスや店舗の原状回復の見積りは、非常に高額で戸惑う方が多いと聞きます。
見積りが高額なのは、工事単価が高いことはもちろんですが、残置物である不用品の処分費用が掛かるからです。
今回は、不用品の適切な処分方法を選択し、手っ取り早く原状回復の見積りを削減できる方法をご紹介します。
また、原状回復の工事見積りの矛盾点やおかしな点を指摘して、費用を削減する方法もご紹介します。
目次
絶対にチェックしたい、不用品処分の見積り
原状回復の見積りと聞くと、ついつい工事見積りのチェックに頭が回ってしまいます。
どうにか削減できないかと頭を悩ませても、専門知識や業界の相場を把握できていないと、見積りの妥当性を判断するのは難しいと考えます。
そこで、難しいことに時間を掛けず、簡単に原状回復のトータル見積りを削減できる方法をお伝えします。
必ず手をつけたいのは、 不用品の処分見積りのチェックです。
原状回復工事は、不用品である残置物が全て撤去された状態でなければ始められません。
この不用品の処分を、賃貸人や工事業者と付き合いのある業者に丸投げしてしまうと、削減余地が大いにある、もったいない見積りが提出されることになります。
不用品の処分で、適切な方法を選択できれば、膨大な時間とコストを掛けて、工事見積りを細かくチェックしなくても、原状回復のトータル費用を大幅に削減できます。
不用品の処分方法は、賃貸借契約に縛らず、賃借人が自由に探して、選ぶことができます。
そこで、不用品処分の見積りを削減できる3つのポイントをご紹介します。
廃棄じゃなくて、買取で処分
不用品を廃棄で処分する場合、引き取り費用と廃棄費用の両方が掛かります。
OA機器は、全て産業廃棄物で処分しなければなりません。
そのため、マニフェストの作成・提出・管理することが法律で義務付けられています。
産廃処理の依頼主は、マニフェストを管理していかなければならず、煩雑な上、大変な手間が掛かります。
そこでおすすめなのが、不用品を買取で処分する方法です。
OA機器や事務什器は、大型であったり、分解を要するため、引き取り作業だけでも大きな費用が発生します。
買取で処分ができれば、引き取り費用を買取金額で相殺できる上、いち商品でも高額な買取金額が付けば、原状回復工事費用の支払いに充当することも可能です。
不用品の買取相場を知る
オフィスでよく使用されるOA機器を例に、廃棄で処分した場合と、買取で処分した場合の費用の比較をご紹介します。
廃棄費用は業界相場で算出し、買取処分の費用は、当社サービスの相場で算出しています。
なお、当社の買取条件は「当社運営ショップで、良品の中古品として販売可能な製品」、「当社営業拠点の一つ、東京都内にある製品の場合」としています。
A3コピー機で比較
廃棄で処分する場合(業界相場):17,000円~
買取で処分する場合(当社相場):3,000円前後
最新のA3コピ―機を買取で処分する場合(当社相場):当社から買取金額 85,000円~をお支払い
業務用シュレッダーで比較
廃棄で処分する場合(業界相場):14,000円~
買取で処分する場合(当社相場):4,000円前後
最新の業務用シュレッダーを買取で処分する場合(当社相場):当社から買取金額 85,000円~をお支払い
不用品の買取処分は、専門店に依頼する
買取で処分する場合は、対象機器の中古品を取り扱う、リユース専門店へ依頼をしましょう。
コピー機ならOA機器のリユース専門店に、オフィス家具ならオフィス家具のリユース専門店に依頼をすると、廃棄しなければならなかった機械や家具に価格が付いたり、思いもよらない高額査定になったりします。
また、少しでも多く買取金額を受け取りたい場合は、専門店のサービスエリアをチェックすることをおすすめします。
具体的には、不用品が置いてある場所と同一地域に営業拠点がある専門店に依頼するのが良いでしょう。
専門店の拠点との距離が離れるほど引き取り費用が高くなります。
機械が大型であったり、大量であったりする場合は尚のこと、近場の専門店に依頼するのがおすすめです。
原状回復工事見積りのチェックポイント
原状回復工事費用をさらに減額できる余地があるか、工事見積りをチェックしてみましょう。
主なポイントは、以下の5点になります。
- 賃貸借契約書を確認
- 資材費や労務費の相場を確認
- 見積りの面積を確認
- 共有エリアが見積りに含まれていないか確認
- 原状回復以上の工事になっていないか確認
具体的にどんなチェックが必要なのか、ご紹介します。
賃貸借契約書を確認
賃貸借契約書に、原状回復に関する取り決めが書かれていますので、必ず確認しましょう。
特に確認が必要な点は「通常損耗も賃借人の負担かどうか」、「工事業者の指定があるかどうか」という点です。
これによって、工事費用が大きく削減できるかどうかが変わります。
「通常損耗も賃借人の負担」と記載がある場合は、経年によって、フローリングや壁、天井、設備等が汚れたり、損傷した場合であっても、修理、交換の義務が発生します。
契約が有効どうかは、「通常損耗の範囲」が、賃貸借契約書に具体的に明記されていることがポイントになります。
また、「工事業者の指定がある」場合は、競争原理が働かないため、一般的に、大きな費用削減は難しいと考えましょう。
資材費や労務費の相場を確認
工事見積りの項目が「一式」になっていると、相場を調べるのは難しいですが、見積り項目が細かく書かれているようであれば、資材費や労務費を確認してみましょう。
業界人ではないと調査が難しい点もありますが、国の機関が資材費や労務費をインターネット上に公開しています。
確認作業に骨が折れますが、工事費用削減のために見積りの矛盾を突くのであれば、照らし合わせて確認するのも一つの手段と考えます。
資材費の参考サイト:東京都工事設計単価表
労務費の参考サイト:令和2年3月から適用する公共工事設計労務単価について
見積りの面積を確認
工事見積りの面積が、事務所や店舗の契約面積と一致している場合は、必ず確認をしましょう。
契約面積は、実際に使用できる居室面積より、大きく算出されます。当然ですが、工事対象となる見積りは、実際に使用した居室面積です。
契約面積と一致している場合は、工事見積りの金額を削減できる余地があります。
共有エリアが見積りに含まれていないか確認
オフィスビルなどで共有する「エレベーターホール」や「トイレ」などが工事見積りに含まれていないか確認をしましょう。
共有エリアは、賃借人が原状回復を行う義務はありません。含まれている場合は、必ず指摘して減額をしてもらいましょう。
原状回復以上の工事になっていないか確認
原状回復とは「借りた時の状態に戻す」ことです。
ところが、原状回復の工事内容が、クロスやフローリング、設備などを、入居した時よりも、明らかに品質の高いものにしようとしている場合は、指摘をしましょう。それは、原状回復義務を逸脱する行為になります。指摘できれば、減額の余地があります。
まとめ
最後にご紹介した「工事見積りをチェックして減額する方法」は、正直、知識のある業界人でないと難しいと言えます。
他の情報サイトでは、「減額交渉は、専門のコンサルタントに相談しましょう」というまとめになっています。当然ですが、相談して利用をすればコンサル費用が発生します。
原状回復に関わる費用は、工事費用だけではありません。
トータルコストを抑えたいのであれば、何より最初に目を向けるべきは、不用品の処分方法です。
不用品をリユース専門店に「買取」で処分をしてもらうことで、その買取金額を工事費用に充当することができます。つまり、原状回復のトータルコストを抑えることができます。
難易度が高い方法に時間を掛けるより、手軽に費用を削減できる、不用品の処分方法に時間を使いましょう。
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