
業務用コピー機はメーカーで違う?メーカー別の徹底比較
業務用コピー機を選ぶとき、どのメーカーを購入すればいいか迷うことはありませんか?
- ランニングコストは高いのか
- サポートはどうなのか
- 印刷した結果は綺麗かどうか
メーカー毎の特徴や性能評価、比較情報を探されるのではないでしょうか。
この記事では、OA市場の客観的な情報をまとめ、メーカー毎の特徴や評判をご紹介します。
目次
コピー機メーカーのシェア割合
メーカー毎の評判を知る一歩として、まずは国内のコピー機の出荷台数シェアを確認してみましょう。
以下は、IDC Japanがプレスリリースで発表した「2017年 国内レーザーMFP/プリンター市場動向」にある「国内レーザーMFP/プリンターにおける2017年のカンパニー別出荷台数シェア」の数字です。
ちなみにMFPとは、「Multifunction printer」の略称で、日本では複合機のことを指します。
出典: IDC Japanプレスリリース「2017年 国内レーザーMFP/プリンター市場概況を発表」(2018年4月24日)
国内出荷台数は、上位3社でシェア6割
国内出荷台数No.1はキヤノン、No.2がリコー、No.3が富士ゼロックスです。
この上位3社でMFP市場の6割を占めており、近年この寡占化状態が続いています。
この数字には量販店で気軽に購入できる10万円以下の安価な小型レーザーコピー機も含まれます。
キヤノンは上位二大メーカーに比べ、小型レーザーコピー機のラインナップが豊富でブランド力も高いため、数に差がついたと推察しています。
中古OA市場では、シャープがNo.1
中古OA市場でも、結果は同じなのでしょうか。
他社サイトによる独自調査で下記の結果がでております。
2017/3/15 検索キーワード「中古複合機」でGoogle検索した際に表示される上位10店舗で集計
シャープは、中古OA市場で取り扱い店舗が非常に多いメーカーで多くが出回っておりますが、ラインナップの多さや価格の安さが理由だけではありません。
中古商品を買う際、一番の懸念とされる購入後のサポートの充実がこの数字を表しているといえます。
もちろん、他のメーカーにもサポート以外に強みがあります。
コピー機 メーカー別比較表
当社でコピー機を整備するエンジニアが、「基本機能」「スピード」「画質」「耐久性」「価格」の項目でメーカー比較を行い、5点満点で点数を付けました。
キヤノン |
リコー |
ゼロックス |
シャープ |
コニカミノルタ |
|
基本性能 |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
スピード |
4 |
4 |
5 |
4 |
4 |
画質 |
4 |
5 |
3 |
3 |
4 |
耐久度 |
3 |
4 |
5 |
3 |
5 |
価格 |
4 |
3 |
2 |
5 |
4 |
基本性能は、各メーカー変わらず
コピー、FAX、プリンター、スキャナーといった基本機能の使いやすについては、各メーカー特徴的な違いはないという評価になりました。
近年のコピー機は、機能が成熟しており、使い勝手に関わるような大きな違いは見られません。どのメーカーのコピー機を購入しても、同じ様な機能を搭載しています。
スピードなら、富士ゼロックス
印刷指示を出してから出力される時間が速い点が、エンジニアから高い評価を得ました。
また、紙資料の読み取りスピードについても、他メーカーより一歩抜きん出ており、結果満点を獲得しています。
画質なら、リコー
各メーカーと比べて、相対的に画質が優れているという評価となりました。
特にカラー印刷に関する評価が高く、色調は正確で、グラデーションが多い写真印刷もなめらかに表現できる点に注目が集まりました。
耐久性なら、コニカミノルタ
コピー機で比較的多く発生するトラブル「紙詰まり」が、非常に少ない点に注目が集まりました。
当社の販売実績からも、コニカミノルタの機器は、他メーカーに比べて、クレーム、故障率が少ない点も高い評価となりました。
価格なら、シャープ
当社の調査で、中古OA市場で取り扱い数の多いシャープのコピー機が、比較的価格を抑えて導入できるケースが多いという結果となりました。
導入価格を重視して機械を選ぶならシャープになるでしょう。
キヤノンコピー機の評判
キヤノンは、国内出荷台数シェアNo.1であり、中古OA市場においても取り扱い数が多いメーカーです。
キヤノンの評判が良い点は、主に「ランニングコストが安い」「耐久性が高い」「メーカーサポートが良い」の3点となります。
ランニングコストが安い
用途が限定しているモノクロコピー機の中古ユーザーは、一番ランニングコストの安さにこだわります。
そのようなユーザーの声に応えられる評判が良いコピー機が、キヤノンの「Satera(サテラ)」です。
キヤノンの「Satera(サテラ)」は、消耗品のトナーが1万円前後で入手できる上、トナーの交換で機械のセルフメンテナンスが行える仕組みとなっています。そのため、保守サービスの加入は必要なく、保守料金も掛かりません。
色調が正確
キヤノンのコピー機は、色調が正確な点が評判です。
目を見張るような鮮やかな色味ではなく、色の濃淡や明暗が正確に出ます。
そのため、画面に表示される画像と、出力した印刷物のズレが少なく、イメージに近い出力ができる点が特長です。
中古コピー機でもメーカーがサポート対応
中古ユーザーは、保守サービスに加入せず、「使い潰して、また新たな中古コピー機を購入する」というのが一般的です。
そのため、買い替えまでの期間に発生する小さな故障に対する修理サポート対応は重要な購入ポイントになります。
その点キヤノンは、中古であっても、スムーズにメーカーがサポートをしてくれますので、中古ユーザーからの評判が良いのです。
リコーコピー機の評判
リコーは、国内出荷台数シェアNo.2と、上位3大メーカーに数えられますが、中古OA市場では取り扱い数が少なくなっています。
そのため、中古OA市場ではリコーコピー機は希少であり、人気メーカーです。
リコーの評判が良い点は、主に「高画質」「故障に強い」「ペーパーレス機能が優秀」の3点となります。
様々なシーンで活躍する高画質
リコーコピー機で最も評判の良い点は「画質の高さ」です。
リコーの画質の高さが一番顕著に表れるのが写真印刷で、色鮮やかに出力できます。特にグラデーションが美しく表現できており、他メーカーのコピー機で出力したものと比べると差が分かります。
故障に強い
リコーは、コピー機でよく発生する故障に強く、中でも「紙詰まり」、「印字不良」が少ない点が特長です。
特に「紙詰まり」のトラブルは、コピー機で最も多い「イライラ」ポイントとして有名なため、機械選びの重要なポイントとなることは間違いないでしょう。
役所も導入しているペーパーレス機能
リコーのペーパーレス機能は各メーカーと比べても、特に人気が高いです。その理由は手軽さです。
コピー機とパソコンを接続することで、複雑な設定なしにパソコン画面で受信したFAXやスキャンしたデータを確認できます。
「面倒くさい」「印刷した方が早い」という不平不満をなくし、社内へのペーパーレスの浸透を加速させることができるでしょう。
富士ゼロックスコピー機の評判
富士ゼロックスは、国内出荷台数シェアNo.3の上位3大メーカーですが、中古OA市場では最も取り扱い数が少なくなっています。
これは、メーカーが中古の修理を受け付けないこと、また中古OA市場でも富士ゼロックスの修理や保守ができる業者が少ないことが理由の一つと推察しています。
中古OA市場で流通量が少ないことから、市場特有の製品の特徴はほとんどありません。
新品、中古問わず言われている富士ゼロックスの評判が良い点は、「故障率が低い」と「高い静音せいが静かな」ということです。
故障率が低い
当店の販売実績調査で、富士ゼロックスのコピー機は、他メーカーに比べて、故障率が非常に低いという結果が出ています。
機械が動かない、紙詰まりが多い、印刷物に線が入る、といった有名なトラブルのご連絡をいただくことがありません。
ユーザーはもちろんのこと、コピー機の整備を行うエンジニアからも高い評価を得ています。
高い静音性
富士ゼロックスのコピー機は、印刷時や読み取り時の動作音が非常に静かなことで評判です。
当社のエンジニアも動作音に気付かないほどの静けさで、機械内部で紙を搬送する音さえほぼ聞こえてこないレベルです。
静けさが重視されるスペースに設置する機械としては、最も最適なコピー機でしょう。
シャープコピー機の評判
シャープは、中古OA市場で取り扱い店舗が非常に多いメーカーです。
シャープの評判が良い点は、主に「コストパフォーマンス」「保守サービス」「経済的な機能」の3点となります。
コストパフォーマンスの高さ
シャープの最も評判の良い点は、「コストパフォーマンスの高さ」です。
中古OA市場で取り扱い数の多いシャープは、価格競争が起きやすく、驚くような価格で品質の高い業務用コピー機を購入できることが多々あります。
安心の保守サービス
シャープは取り扱い店舗が多いため、コピー機のメンテナンスを行う保守サービスについても店舗同士の競争が発生します。
保守料金が安くても、サービスの内容が充実しているのもシャープの特長です。
コストダウンを実現する機能
購入する際、導入した後にどれくらいコスト削減に繋がったかも検討材料となります。
シャープコピー機の「プレビュー機能」は、印刷前に出力データの確認ができるので、プリントミスを減らすことができます。
操作が直感的で使いやすく、他社メーカーのコピー機と比較してプリントミスが半分近くにまで減りました。
コニカミノルタコピー機の評判
コニカミノルタは、中古OA市場では取り扱い店舗が少なく、手に入り難いものの以下の点で評判良いメーカーです。
評判の良い点は、「保守サポートエリアが広い」「MacOSに標準対応」「紙詰まりが少ない」の3点となります。
保守サポートエリアが広い
中古になるとメーカーがサポートをしないことも多い市場で、コニカミノルタは、販売店やメンテナンス業者がメーカーとネットワークを持てていることが多く、中古でも全国規模で保守サービスを提供できることが多々あります。
常に万全の状態で、あらゆる事態に備えたい中古ユーザーにとっては、柔軟で、広いメンテナンス体制を持つコニカミノルタは安心の一択となります。
MacOSに標準対応
コニカミノルタは、Macでプリンター機能(パソコンから印刷する機能)を使う時に必要な、「PostScript3」という記述言語を標準搭載しています。
業務用コピー機の多くは、「PostScript3」がオプション機能となっており、搭載するのに相場で12万円前後は掛かります。
Macでもコピー機を使用する場合は、コニカミノルタを選ぶメリットが大きいです。
そのため、Macを使う機会が多い、デザイン・クリエイティブ系の企業からの評判が特に良いです。
紙詰まりが少ない
コニカミノルタは、紙を搬送する給紙系の機構がしっかりしているので、紙詰まりのトラブルが非常に少ないという特長があります。
紙詰まりは、コピー機のトラブルの中でも、非常にユーザーにストレスを与えるため、コニカミノルタの紙詰まりの少なさは非常に評判が良いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
中古OA市場における各メーカーの特長が理解できたと思います。
単に価格だけで選ぶのではなく、メーカーの特徴まで知っておくと、最適なコピー機を格安で購入することができます。
コピー機の新規導入、買い替えの際にぜひ役立ててください。
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